私に意味を。

「〜っ!」

頬に熱が集まるのが分かる。

「いっ、今のは忘れてください!」

だって、友達って・・・。

今時小学生でも言わないのに!

あーもー!

恥ずかしすぎるって!

「鮎川さん、友達欲しいの?」

「違います!」

「・・・そっか。」

え?!

なんで及川君がションボリしてるの?!

私が友達いらないって言っちゃったから??

「あ、いや、そんなことなくって!」

「え?」

「えっと、私、ずっと友達居なくって。それで、ちょっと欲しいなって思ってて。でも、無理に友達にならなくっていいですから!全然大丈夫ですから!全然慣れてますし!」

「ちょ、落ち着いて鮎川さん!」

・・・はい。

「じゃあさ、鮎川さん。」

「ん?」

「俺も、友達欲しいんだ。」

「え?」

「だからさ、俺と、友達になってくれませんか?」

そう言って、私の前で片足をついてしゃがみ、片手を差し出す及川君。

まるで、何処かの王子様みたいで。

私は。

「よろしく、お願いします。」

気づいたら、その手をとっていた。