私に意味を。

・・・あれ?

私、今・・・。

「あ、えっと、気にしないでください!」

あーもう!

何でこんな変なこと聞いちゃったのよ!

ついポロっと口に出ちゃったけど、でも、他人に聞くようなことじゃないよ。

絶対に。

「あ、うん。」

ほら、困ってるじゃんか。

及川君。

嫌われちゃったら・・・。

・・・あれ?

また、変だ。

私、おかしなこと考えてる。

なんで、及川君に嫌われたくないんだろう?

昨日あったばかりの・・・昨日あったばかりだから?

・・・もう、よくわかんないよ。

《キーンコーンカーンコーン》

幸か不幸か。

こんなタイミングでチャイムがなるなんて。

「席、着こっか。」

「うん、そうだね。」

及川君の提案に乗って、席に着く。

こんな時、席が離れてたら、何て思うけど。

生憎、隣なんです。

「あ、そうだ鮎川さん。今日も、お昼一緒に食べよう?」

今日“も”。

その言葉が、ちょっと嬉しい。

昨日、私が及川君と一緒に、ご飯を食べたことが示されてるみたいで。

「うん。」

でも、こんな気持ちは。

口には出せないけど。