遠い島の横の水平線が薄いオレンジに染まっている。
夜の闇が徐々に薄くなり、オレンジの線がみるみるうちに左右に伸びてゆく。

「座る」

ソムチャイはそうすすめてくれると、自らもデッキチェアに腰かけた。

「ありがと」

腰をおろしながらも、目線は海の向こうのまま。

「サンライズ。見る約束ね」

「・・・うん」

そうだった。
私なんて、すっかり忘れていたのに。

ソムチャイは、メオのことや保証人のことで大変なはずなのに、覚えていてくれたんだ・・・。