あたしと女の子はモヒカン男に後ろから押され車へと放り込まれた。
「…キャ…ッ」
「…つ…っ!…痛いわね〜…!」
あたしは背中越しにモヒカン男を睨み付けた。
モヒカン男は
「すぐ終わるから、そこで待ってな」
と不気味な笑みを浮かべ、車のドアを閉めた。
「…ちょっと…!開けなさいよ!」
あたしは大声を出したが、その声は車内に響くだけだった。
ヤバイ…。あいつら猿をボコボコにするつもりだ…。
相手は複数だし、猿より強そうだし…。
…武器も隠し持ってるだろうし…。
あたしは今の自分の状況よりも、猿の身が心配でならなかった。
生憎、窓にはスモークがかかっていて外の様子はよく分からなかった。
「…あの人、…大丈夫でしょうか…?」
と、あたしと同じことを考えていたのだろう、女の子が口を開いた。
「え…あ……うん、大丈夫よ、あいつなら」
咄嗟に自分の口から出た言葉に、あたし自身が励まされた。
そうだよ。あいつのこと何も知らないけど、あれだけ自信満々に登場したんだもん。
やられるはずがない。
全然根拠になってない。
ただのあたしの希望だけど、今はそれを信じたい。
せっかく猿が助けに来てくれたんだもん。
信じなきゃ。
この子まで不安にさせちゃダメだよね。
こんな小さな子に……
………?
あれ、
この子…。
もしかして……。


