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開始10分———。





わたしはもう、クタクタだった。
少し歩くだけで息が上がる。





…城川くんの言う通りだった。
相手チームはすごく体力があるみたいで、すごく動けてる。





「サツキー!」





サツキと呼ばれた子はギリギリの体力で攻めていた蘭から、いとも簡単にボールを奪ってしまった。






だけど諦めたくない。



そんな気持ちは11人みんな同じ。





でも…この試合は負けたくないんだ。
わたしは辞めたくない。





なら、ふつうに続ければいい話だけど。
ケジメというか、勝たなきゃ…わたしは役に立ててないということだから。





負けたのにここにいるわけにはいかないもん。





公式試合だってわたしの穴埋めの1年生はたくさんいる。
むしろわたしより1年生のほうが上手いくらいだもん。





疲れていてぼーっとしちゃってると。
気がついたら、サツキという女の子からボールをもらった相手選手が攻めて行く。





どんどん交わしてどんどん攻めて行くんだ。





このままだと点を入れられちゃう…!
わたしは小走りで下がる。





1ヶ月がんばったもん…、最後まで諦めたくない。