「あ! 瑞姫ってばいま『わたしになんてできないよ』って思ったでしょ?」
声のしたほうを見るとそこには有彩がいて、にひっと笑っていた。
ず……図星です。
なんでばれてるんだろう…。
「んふふ、瑞姫のことはもうわかってるのよ。
下を向きながら髪をいじってるときは、ネガティブ思考になってるとき」
「え? そうなのっ⁉︎」
有彩の言葉にわたしは驚いて目を見開く。
有彩以外にも『確かに』とみんなは頷く。
え…わたしは自覚なかったのに、みんな知ってたの⁉︎
「たった1ヶ月でも、瑞姫のことはみんなわかってるってことよ。 …ね、そうでしょ?」
実李がみんなを見渡しながら言った。
なんだか…嬉しいなあ。
それに、わたしだってみんなのことわかってきてるって言える。
杏里はホワホワしてて。
蘭はツンデレだけど優しくて。
七海はしっかりしていて。
実李は大人しそうだけど、誰よりも周りを見ていて。
春名はミーハーでいつもテンション高くて。
桃子は天然だけど秀才で。
唯は恋バナ大好きでメンバーのムードメーカー。
未来は静かでおっとりしていて。
有彩はちょっとおばかだけど頼りになって。
わたしだってみんなのことわかってきた。
大切な仲間のことがわかってきてすごく嬉しい。


