コップを置きにベンチに戻ると。
10人みんなが近寄って来た。
「瑞姫」
杏里がにこっと笑いながらわたしに言った。
「え? …なに、みんなどうしたの?」
「勝とう、絶対に」
蘭は力強く言った。
わたしはそんな言葉に首を縦に何回も振る。
勝ちたい。
そんな気持ちは11人みんな同じだと思うんだ。
「あたしたちね?
瑞姫に…アシストするから。
瑞姫が決めて」
え? どういうこと?
わたしは蘭の言葉に首を傾げた。
「だーかーらー!
もう1点入れて、勝とう?」
「う、うん…!」
「最後は笑おうよ、ね?」
蘭の言葉にまたわたしは頷く。
え? でも、全部わたしにアシスト⁈
そ、そんなの無理だよ…!
わたしにゴールを決めることなんて、できないよ……。


