気づいたら、相手チームはわたしたちのほうに攻めていて。
コートの半分側だけでプレーをしてる状態になってきた。
…わたし、もう体力がない。
ボールを追いかけられなくなってきた。
だけど仲間が頑張ってるから、わたしも頑張る…!
息を切らしながらも精一杯走る。
ゴールを守らなきゃだもん…!
でも相手はどんどん攻めてきて。
ついには相手のトップの人がゴールを狙いに来てしまった。
だけどディフェンダーが頑張ってゴールされるのを阻止してる。
わたしにできることはなんだろう?
…やっぱり、初心者だし。
まだ始めて1ヶ月だし、全然わからない。
でも、それでも…周りを見て。
勝てるように頑張るんだ。
…仲間を信じて、わたしは信じられて。
サッカーはボールをゴールに運ぶだけの競技じゃないもん。
———ピーッ
ギリギリまでゴールをみんなで守っていると。
前半終了のホイッスルが鳴った。
「瑞姫、お疲れさま!
あと半分もあるけど…頑張ろう」
ベンチに戻ろうと歩いていると、杏里が駆け寄ってそう言った。
「うん…っ」
息切れしてるし疲れて上手く話せないけど。
精一杯の笑顔を見せると、杏里も笑顔になった。


