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「あの映画よかったね〜!
わたし、感動しちゃったもん」





映画館の隣にあるカフェでわたしと湊くんはさっき見た映画の話に浸る。





わたしたちが見たのは、サッカーしてる男の子のラブストーリーだった。





わたしたち、ちょうどサッカーやってるし。
さすがに純愛系を見ちゃうと、ドキドキしちゃいそうだから。





「ふ」




「? なんで笑ったの?」




頬杖をついてわたしを見つめる湊くん。
う…。 な、なんか恥ずかしいよ。





「別に」




「き…気になるんですけど」




「子供みてーだなって思っただけ」




「こ、子供…⁉︎
…ひどいなー、湊くんてば」





子供なんかじゃないもん。





「映画だけでテンション高くなりすぎだし」




「ふつう、みんなそうだよ!」





また湊くんは笑う。
…最初は全然笑わなくて、冷たかったのに。
やっぱり、すごく変わったなあ……。