「あはっ。
瑞姫ってば、城川くんのこと見つめすぎ!」
試合を見ていると。
隣から笑い声が聞こえた。
「…えっ?
わ、わたし…そんなに見てた?」
「うん。
もう、ずーっと目で追ってる」
そう、なのかな?
意識してなかった…。
だけど城川くんのプレーする姿がかっこよくて…。
ボールの扱い方もすごく上手だし。
パスのときのキックだって。
わたし、城川くんのことサッカーをする人として尊敬してるくらいだもん。
「上手いなあ…」
「本当だね。
あたし、瑞姫に城川くんのこと教えてよかったよ」
「杏里、ありがとう」
「いーえっ。
その代わり、あたしも恋したときは応援してね?」
「もちろんっ」
もう親友の頼みなら。
精一杯応援しちゃうもん。
「……あ!」
城川くんの持っていたボールは相手選手に取られてしまった。
…なんだか、モヤモヤしちゃう。
頑張れ。
そう、何回も応援するから。
頑張るキミにエールを送るから。
だから最後まで諦めないで。
勝って、笑って…!