この計画を実行するべきか、踏みとどまるべきか。

一時は考えもしていなかったことが、今は頭の最上部にまとわりついていた。

こんな空虚な目的のために危険を冒す必要なんて、あるんだろうか?

もしこれで警察に捕まったりしたら、飛鳥とは離れてしまう。それは、何があっても嫌だった。

飛鳥が泣く理由が、少しだけ分かった気がした。

…それでも、やっぱりやるべきなんだろうか?

このまま警察に誤解されたまま、なんてことになったら、それこそ飛鳥と離れてしまう。さらに、殺人犯を野に放つことにもなってしまう。人知れず生きている人食いオオカミほど怖いものはない。

何度目かの感情の流転。最近多い。それだけ、悩んでいるということなんだろう。

丹隼さんに助けを求めようとしたが、やめにした。技術的な問題などの自分にはどうしようもないものなら助けてもらうしかないが、これは僕自身の問題だ。僕自身が、やるか、やらないか。それが全てだった。

長い思考の末、僕は決めた。

…やる。何としても、犯人を見つけ出す。

周りからは「自己中」と思われるかもしれない。でも、周りの目なんてどうでもいい。そして、自分自身の目は以外にも簡単に閉じられる。

やることは、間違っていない。

…そしてしばらくして、飛鳥も「やる」と決めた。

三人だけの捜査チームが結成された。