素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜

裕子さんは帰って行ったが、別れ際に俺達は最後のキスを交わした。その時、裕子さんの目から涙がこぼれたのは、俺との別れを惜しんでの事だったのだろうか。


そんな事もあり、俺はちょっとだけ自分に自信が持てたような気がした。そして翌日には、ある事を決意していた。それは……


真琴に俺の気持ちを伝えようと思う。それは照れ臭くて出来ないかもだが、裕子さんとの関係を絶った事だけは伝えたい。そうする事で、自然と俺の気持ちも伝わると思うし。


そう決めたら、いつになく俺のテンションは上がっていた。コンビニで働いていても、自然と顔がニヤけてしまう程に。


あと少しで上がる時刻になろうかという時、帰ったらすぐに会いに行こうと思っていたその相手が、ひょっこり店にやって来た。つまり真琴が、赤い顔してニコニコ笑いながら、コンビニにやって来たのだ。


俺はその瞬間、はっきりと自覚した。俺は真琴に惹かれている、という事実を……