「あの人、和君の事が本当に好きよ。たぶん私よりも……」
「そんなバカな……」
と言ったものの、俺の頭の中で、兄貴との思い出が走馬灯のようによみがえると、俺がいかに兄貴を頼り、甘えて来たか。そしてどんな時も兄貴は俺の味方で、俺の力になってくれたかが思い知らされ、俺は目頭が熱くなった。
「今のままじゃダメなの?」
「ダメです!」
「でもあの人は……」
「だから余計にダメなんです」
「和君……?」
「俺は、今まで兄貴に甘えてばかりいました。兄貴は俺に優しいから、つい頼ってばかりいました。でも、俺はもういい大人ですから、兄貴に甘えたくないんです。むしろこれからは、俺が兄貴の力になりたい」
「…………」
「義姉さん。俺達、もうやめましょう?」
俺は、虚ろな目をした裕子さんを真っ直ぐに見て、きっぱりとそう言った。それは同時に、欲望に抗えなかった今までの、弱い自分に対する勧告でもあった。
「そんなバカな……」
と言ったものの、俺の頭の中で、兄貴との思い出が走馬灯のようによみがえると、俺がいかに兄貴を頼り、甘えて来たか。そしてどんな時も兄貴は俺の味方で、俺の力になってくれたかが思い知らされ、俺は目頭が熱くなった。
「今のままじゃダメなの?」
「ダメです!」
「でもあの人は……」
「だから余計にダメなんです」
「和君……?」
「俺は、今まで兄貴に甘えてばかりいました。兄貴は俺に優しいから、つい頼ってばかりいました。でも、俺はもういい大人ですから、兄貴に甘えたくないんです。むしろこれからは、俺が兄貴の力になりたい」
「…………」
「義姉さん。俺達、もうやめましょう?」
俺は、虚ろな目をした裕子さんを真っ直ぐに見て、きっぱりとそう言った。それは同時に、欲望に抗えなかった今までの、弱い自分に対する勧告でもあった。



