また会ったな、沢森──。 木村君が、そんな風に声をかけて来た気がした。 『恵梨、あたらしい学校どう?仲良くやっていけそ?』 転校したその日、夜かかってきた渓斗君からの電話。 途中まで楽しく談笑してきたのに、私は思わずその言葉で固まってしまった。 いきなり言葉をつまらせたら、当然不思議に思われるわけで。 『……恵梨?なんかあった?』 どこか不安そうな渓斗君の声に、私は慌てて、なんでもないよ、と言おうとして──また言葉を飲み込んだ。