だから大丈夫だよ、って。
怖がらなくていいんだよ、って。
渓斗君が優しく笑ってくれたから。
──私も前に進みだそうと、思ったんだ。
東京に旅立つ当日、渓斗君含め、クラスの皆が空港に集まってくれた。
皆、私が転校することを悲しんでくれたし、沢山連絡とるって言ってくれた。
皆がそんな風に優しいから私も我慢できなくなって、泣きじゃくってしまって。
嗚咽を漏らしながら泣く私を、ふわり、と渓斗君が抱き締めてくれた。
「恵梨、泣かないで」
「渓斗、くっ……」
「恵梨が泣くと、俺も泣きそうになるから」
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