【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー




それから二人でケーキを食べながら、他愛ない話をした。


でもどこかギクシャクしたそれが、私達の不安を表していて。


ああ、きっとこんな風に二人で話せるのも後少しなんだから、もっと楽しく話したいのに。なんてもどかしい気持ちを抱えながら、ケーキを食べ終えた。


「ごちそうさま」

「……ごちそうさま、でした」


空になった皿に、フォークを置いたときにカツン、となった音が、きっと終わりの合図で。


「うん……じゃあ、話していいよ」


──始まりの、合図だった。


滲む手汗を隠すように、膝の上でぎゅ、と握り締める。


「……じ、つは、」


早く言ってしまいたいのに、言葉は喉に絡みついて思うように吐き出せない。