溢れてどうしようもないこの想いを、君に。





「あっ、あの、木村君!」


沢森に告白しよう。気持ちを伝えよう、と心に決めてから数日経ったある日、下駄箱に向かう途中で、クラスメイトの女子に引き留められた。


顔をほんのりと染めて、うつむいてもじもじしてるその姿で、これから何を言われるのかが容易くわかった。


「なに?」

「お話があるの……」

「……」

「も、もう、気づいてるかもしれないけど私、木村君が好き……。彼女いないなら、付き合ってほしいの!」


目をぎゅ、と固く瞑って絞り出すようにそう告げたその子。