「……ありがとうございます」 ゴミを捨て終えると、沢森が俯いたままそう言った。 俺の事、嫌いなくせに。きっと顔もみたくないくせに、そういう所はしっかりしてる。 いっそのこと、罵倒してくれれば、諦めもつくかもしれねーのに。 「……どういたしまして」 参ったな。 沢森が転校してきてから、沢森への想いが急速に膨らんでいってる。 さすがに一緒に帰ってくるわけにも行かなくて、俺は一足先に家へと向かった。 そして、帰宅している途中。 「──木村君?」