その笑顔に、可愛いなぁ、なんてとりとめもなく思いながら、沢森の頭をぐりぐりと撫でまわした。
「なーに笑ってんだよ」
「えへへ……」
えへへって……可愛すぎんだろ。
沢森の可愛さに胸がきゅー、と締め付けられるのを感じながら、同時に小さな痛みも襲ってきた。
理由はわかってる。怖いんだ、沢森と離れることが。
卒業したらこんな風に下校を一緒にすることも、学校で毎日会うこともなくなるんだと考えると、酷く胸が痛む。
いつの間にか、沢森にどっぷりと溺れていた。
──翌日。
朝、俺と沢森は駅で待ち合わせて二人で学校に行くから、俺は駅で沢森を待っていた。


