【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー





恥ずかしさで潤んだ沢森の揺れる瞳がやけに色っぽくて、思わず目を奪われる。



「沢森……もっかい、いい?」



思わずそう訊くと、沢森は弾かれたように顔を上げて、みるみるうちに真っ赤になった。



そして、ブンブンと勢いよく首を左右に振る。



……そんなに必死に否定しなくても。



「む、無理です!恥ずかしい……!」

「恥ずかしくねーって」

「!? そ、それは木村君が決めることじゃ……!」



動揺している沢森にクスッと笑ってから、沢森の頬に両手を添える。



「……どうしても駄目?」

「……!」



少し首を傾げて沢森を覗きこめば、沢森が、う、と言葉に詰まる。


それから、何度か沢森は視線をさ迷わせて──……。