さらさらで、柔らかくて、小さな手。 この手を離したくないと、強く想った。 「──なんか食べたいものとかある?」 結局恥ずかしがる沢森を言いくるめて、俺達は手をつなぎながら祭りを見て回った。 沢森の歩幅に合わせながらそう訊くと、沢森はちょっと照れたように「……りんご飴がいいです」と答えた。 ……なにその可愛い答え。 「ん。じゃ、買いにいこ」 そのまま沢森を屋台まで連れていき、屋台のおっちゃんに、「りんご飴1つ」と頼んでお金を取り出すと、沢森が慌てた。