救われたよ。 渓人君がいたから、ここまで来れたの。 私はひねくれないで、生きてこれた。 「渓人君……っ」 「あーもー、泣くなって!」 きっと私は、忘れない。 渓人君に助けてもらったこと。渓人君と付き合えた日々を、忘れない。 子供みたいに泣きじゃくる私に、渓人君は呆れたような顔をしてから、耳元で「あいつと幸せになれよ」と囁いてくれた。 ねえ木村君。まだ、間に合うなら。 ……今度は私から、好きって言ってもいいですか?