そう尋ねれば、沢森はふるふると首を左右に振った。
「そんなことないよ!私も今来たばかりです!」
「……そか。……沢森それ、似合ってる……。浴衣、すごい綺麗だ」
そう言うと、沢森は一瞬キョトンとしたように瞬いてから、嬉しそうに笑った。
「素敵でしょう、この浴衣!お母さんが用意してくれたの!」
くるり、と一回転して、えへへ、と笑う沢森。
……あーもう、なんでそんな一々可愛いかな……?
「浴衣もそうだけど、それを来てる沢森が可愛い」
ちょっと微笑みながらそう言えば、沢森はみるみる真っ赤になった。
「木村君はすぐそうやってお世辞ばかり……」


