だって渓人君は、木村君とはなんの接点も無いもんね……それどころか、木村君の事を良くは思ってないみたいだし。
でも……。
なんて言ったらいいのか分からなくて俯くと、ぽん、と肩に渓人君の手が置かれた。
驚いて見上げれば、渓人君が微笑んでいて。
「行こう。……行きたいんだろ?見舞い」
わかってるから。大丈夫だから。──まるでそう、私を安心させてくれるかのような声色で問いかけてくれた。
「うん……」
行きたい、と頷くと、ポンポン、と2回ほど頭を軽く叩かれて。
「俺も行きます。皆で行きましょう」
お父さんに、そう言ってくれた。
お父さんは頷いてから、車の鍵を取ってくると再び家の中へと消えていき、私はつん、と渓人君のコートの裾を引っ張った。
「ん?どした?」
「……ごめんね。ありがとう、渓人君」
折角のクリスマスなのに。
ごめんね。