それで思わず顔を歪めた俺の頬を、岩崎が抓ってくる。


「なにふんだはなへよばは!(何すんだ離せよ馬鹿!)」

「あーん?何言ってんのかわかんねえなあ」


ニコニコと楽しそうに笑いながら、攻撃の手は緩めない。


笑いながら人のこと虐めるとかどんな神経してんだよこいつ!


やっとのことで解放された時にはヒリヒリと頬が痛くて、赤くなってること間違いなしだった。


「ところでお前、ちゃんと英語やってんだろーな?」

「やってるっつの」


あれからも沢森は俺に勉強を教えてくれて、沢森の説明はかなりわかり易かったから、結構理解してきた。


この調子なら補習は避けられそうだ。


「良かったな、可愛い子と二人きりで勉強できて」

「……は?」


ぽん、とニッコリ微笑みながら俺の肩に手を置いた岩崎に、思わずすっとんきょうな声が出る。


今コイツ、なんつった?