【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー





女子ってこえーな、と昴としみじみ耽っていると、良いこと思いついた!と滑川が声をあげた。


「ね、その作業わたし達が代わってあげるよ!」

「え、俺も!?」


ぽん、と滑川に肩を叩かれた昴が、驚いたように声を上げる。


どうせそんな作業してないでしょ?とニッコリ微笑まれた昴はそのまま押し黙った。


……大方、外で追いかけっこでもして遊んでたんだろ。昴は目え離すとすぐ遊びだすから。


「でも俺なんかがいってもブーイング来そうじゃね〜」

「背が高い子が欲しいって謳い文句で誘ってるんだから、遠山君が来てブーイング出すような筋合い無いわよ」


もし文句言われたら私が言い返すから、と昴を宥める滑川。


もうどっちが男でどっちが女なんだか……。


昴も昴で、「滑川男前!今キュンとした!」とか騒いでるし。アホか。


冷めた目で昴を見つめる俺に、滑川が微笑む。


「だから、木村君は行きたいところに行きなよ!」


そう言ってくれた滑川に、俺もふ、と笑った。