いっそのこと変わってしまってくれてたなら、良かったのに。
そしたらこんな、苦しい思いしなくて済んだかもしれなかったのに。
なんて……、実際そうなったらなったで、変わってしまった理由を必死に探すに決まってんだろうけど。
「──沢森」
「ひゃっ……!?」
沢森の元まで近づいて行って後ろから声をかけると、沢森はびくりと肩を跳ねさせた。
集中しすぎてて俺が近づいて来てた事に気づかなかったのかと思うとそれもまた可愛くて小さく笑った。
笑われたのが気に入らなかったのか、少し不機嫌そうな表情を作る沢森。
「……なに笑ってるんですか。馬鹿にしてます?」
「なんでそうなんの。可愛いなって思っただけだろ」
「かわ……っ!?」
変なこと言わないでください!とそっぽを向く沢森に悪戯心が湧く。
「拗ねんなよ」
だから、沢森の隣にしゃがみこんでそう頬を人差し指でつついてみた、ら。
「〜っ!」
予想外の反応。


