ギャーギャー喚く昴を適当にあしらっていると、ふふっ、と笑い声が聞こえて。
昴と2人、声がした方向を見れば、笑ったのはどうやら滑川らしかった。
俺達の視線に、滑川がハッとしたような顔になり、気まずそうに微笑んだ。
「二人のやり取りが面白くて思わず笑っちゃった」
仲いいんだね、と笑う滑川に、昴もにかっと笑う。
「なんだかんだ言って理貴は俺の事大好きだからな!」
「もう黙れよお前」
大好きとかほんとキャラじゃないし。
またまた照れちゃって〜、と肩を組んでくる昴にライターを向けると、真っ青になって飛び退いた。
「ちょ、おいおい危ないだろ!」
「花火やるためには火がないと」
「俺をロウソクにしようとするな!」
バカ野郎!と騒ぐ昴を無視し、ロウソクに火をつける。
それから俺は適当な花火を手にして滑川に渡した。
「あんなやつ放っておいてやろうぜ」
「ふふっ、ありがとう」


