【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー





そうお礼を言った滑川の笑顔は、どこか寂しそうだった。





「花火買ってきたぞー!」


それから数分もしない内に、両手に花火を持った昴が帰ってきて。


……ナイスタイミング、昴。


若干気まずい空気になってたから、昴の空気の読めなさが今は助かる。


「買いすぎじゃね?」

「どうせやるなら一杯やりてーじゃん!?」


だから気になるの全部買ってやったぜと何故かドヤ顔する昴。


「……人数考えろよな」


三人でこんなにやり切れるのかよ、と苦虫をかみつぶした顔になる。


残ったら処分に困るんだからな。

……まあ、残りそうだったら全部昴にやらせよう。


こいつなら一人でも楽しく出来るだろ、と昴を見ると、「なんでそんな哀れみの目を向けてくんの?」と首を傾げられた。


「いいよな、頭がパッパラパーな奴は」

「まさかとは思うけどそれ俺の事????」

「……」

「黙るなよ!!」