【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー






「……なんだよ」

「いや、ほんと理貴って罪な男だよなーって」

「は?何言ってんのお前」


訳分かんねー、と言えば、やれやれ、とあからさまにため息をつかれる。


「こいつって女泣かせだよなあ。ね?滑川」


女泣かせっ、て。


──ふと、沢森の事を思い出す。


「……そうかも、な」


俺は、泣かしてばっかりだ。


本当は笑ってて欲しいのに、幸せでいて欲しいのに。


俺が近付くと笑顔になれないなら、潔く身を引いた方がいいのかも知れない。


でも、それは出来ない。


自己中だってわかってはいるけど、このままじゃ嫌だから。


誤解されたままじゃ嫌だ。


「とかいってなんも行動出来てねえんだけど」