【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー





「了解」


滑川が男だったら、昴と同じくらい気の置ける友達になってたかもな、なんて思いながら俺は立ち上がる。


体の砂を適当にはらってから、俺は昴の元へと向かった。


「……やっぱり諦めきれないな……」


──そんな滑川の声には、気付かずに。





「おおお!すっげー!え!これ全部滑川が作ったの!?」

「昴うるさい」


一人楽しそうにはしゃいでいた昴を呼び戻し、滑川の元へと向かうと、焼きそばにかき氷、ジュースが用意されていた。


海の家の中は扇風機がいくつかついていて、火照った体に気持ちいい。


「簡単なものしか出来なかったけど」

「いや、充分だろ。ありがとな滑川」


割り箸を手にしながらそう礼を言うと、嬉しそうに笑う滑川。


昴がそんな俺を、じとーっとした目で見た。