滑川も勿論水着は持っていたらしく、すぐに着替えて出てきた。
それからしばらく、三人で泳いだりして。
一時間くらい泳いでから、疲れた俺は浜辺に上がった。昴はといえば元気なものでまだ泳いでいる。
「──木村君」
ふと名前を呼ばれて顔を上げると、そこには滑川の姿が。
「あれ、もういいの?」
「うん、ちょっと休憩」
はは、と苦笑いして、俺の隣に腰をおろす滑川。
それから滑川は、水平線をぼうっと見つめながら、ポツリと言葉を落とした。
「……私が一緒に泳ぐの、本当に嫌じゃなかったの?」
「え?」
「てっきり、気まずい顔するかなって、思ってた」
滑川を見ると、やっぱり滑川はこっちを向いていなくて。
表情は、伺えなかったけど。


