お前が奢るんじゃねーのかよ、と思いながらもとりあえず昼飯が食えるならなんでもいいと正直なのは俺の腹のわけで。
……ま、いっか。
「どうする?もうお昼食べてく?」
「や、とりあえず一回泳ぐ」
「そっか!じゃあお昼頃また来てね!」
そう笑って手を振った滑川に、おう、と頷こうとしたとき。
「え?滑川は行かないの?」
と昴が言い出した。
「私!?私はいいよ!二人で楽しんできて!」
「でも折角会ったのにさ。一緒に行こうよ。なあ?理貴」
首を傾げながら俺に同意を求める昴。
……まあ、確かにな。
「店の手伝い、少しくらい抜けられねーの?」
「え、……いいの?私が行っても」
呆然としたようにそう言った滑川に、ダメな理由なんかあるかよ、と答える。
すると、滑川は嬉しそうに笑って。
「……ありがとう、じゃあお邪魔させてもらおうかな」
と言った。


