【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー





こいつが俺達に関わることに──恵梨に関わることに、俺、怖がってんのか。


なんでこんな奴に。


「何も知らねーくせにお前が口を出すな」


そう言われた時、思わずドクン、と心臓が嫌な音を立てた。


──それだ。

俺の知らないところにある、こいつと恵梨の過去が怖いんだ。


例えそれがどんな感情だとしても、恵梨の心の隅に居座ってるこの男の存在が、嫌なんだ。


「……恵梨のこと、好きなの?」

「好きだ」


即答かよ。しかも、そんな真っ直ぐな目で。


やめろよ。馬鹿じゃないのか。

恵梨をあれだけ傷付けておいて、遊んでおいて今更本気になるとか、手遅れに決まってるだろ。


今更、好きだなんて。