【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー





卑怯な考え方だとはわかってるけど、あいつはお前を遊んだ男なんだよ、とわからせるために。


「……気になるの?あの男が」

「え!そんなわけないよ!」


意地悪な質問だってこともわかってた。

きっと君がそう答えてくれるってことも。


「……だよな」


ごめんな。

俺はきっと、恵梨を縛り付けたいだけなんだ。


俺以外の誰も、もう見えないように。


盲目的に、盲信的に俺のことを、俺だけを愛してくれればいいのに、と。


もしも俺に、人の心を操ることができたなら、俺はきっと恵梨に、俺だけしか見えなくなるような呪いでもかけてたことだろう。


そんなこと、出来もしないけど。