──しかも。 「次が、最後の転校になるの」 追い討ちをかけるようなその言葉。 別に期待していた訳じゃない。 もしかしたらまたいつか、こっちに戻ってくるんじゃないかなんて、そんな都合のいい事。 だけどこうもあっさりと、細い希望の糸を絶たれると、俺はどうしたらいいのか分からなくなった。 「もう転校の心配がないなら、恵梨にとってはいい事……だよな」 自分に言い聞かせるように呟いた言葉に自分で傷付く。 俺とはなれることが恵梨の最善だなんて信じたくなかった。 でも、恵梨は。