二人でカフェに行き、飲み物とケーキをそれぞれに頼む。


それらを食べている間は、二人で不穏な空気を隠すように、上っ面だけの世間話を繰り広げた。


まるでこれから別れ話でもするような──……


そこまで考えて、ふるふると首を左右に振る。


こんなこと考えるもんじゃない。

大丈夫、そんな別れ話なんてされるような事、してないだろ。


──だけど。


どうしようもなく、不安だった。


「……実は、東京に戻ることになったの」


やがて彼女の口から発された真実は、俺が予想していたものではなく。──それでも、予想通りの胸の痛みを食らった。