「そんな風に苦しそうに何度も謝られても、納得いかねーよ」
その苦しみを全部、俺に吐き出してくれればいいよ。
そんな想いをぶつけるように、俺は恵梨を抱きしめた。
あやす様に彼女の背中を叩いてやれば、「うっ……」と恵梨は小さく呻いて、そして全てを吐き出した。
泣きながら彼女が語る彼女の中の真実は、聞いてて胸の痛むものばかりだった。──色んな意味で。
中学で彼氏がいた事や、その彼氏をどれだけ好きで、どんなデートをしたかなんて聞かされた時には、なんの拷問だ、と思った。
たげど段々と雲行きの怪しくなっていく恵梨の話に、そんな思いはすっかり消えていた。
あるのは、「木村君」という名前しか知らない男への怒り。
最低な奴だ、と思った。


