なあ、誰に怯えてるの? 誰を思い出してる? 俺じゃ駄目なの? 「……俺の事、嫌い?」 俺の事が嫌いっていうなら諦めてあげても良いけど、そうじゃないなら無理だよ。 そんな簡単に諦められるような半端な想いじゃないんだ。 恵梨の事を真っ直ぐ見つめてそう聞かば、ふるふると左右に首を振る恵梨。 ──よかった、嫌われてない。 そんな安堵感と共に、ならどうして、という疑問。 「じゃあなんで無理なの?」 とめどなく溢れてくる恵梨の涙を指で掬うように拭う。