耳を塞いで、全てを拒絶した。 やめてよ、掘り返さないでよ。今更、傷を抉るなんて残酷。 何も聞きたくない。 今更何を言うつもりなの? 謝るの? とりあえず謝ればいいと思ってるの? ──そうして、罪悪感から逃れようとするの? 帰って。聞きたくない。 叫ぶようにそういうのに、木村君は意地でも私に何かを伝えようとする。 だけど──。 これだけは言わせて、と伝えられた言葉は、あまりにも予想外過ぎて。 「好きだ、沢森」