【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー





ここできっと、渓斗君を心配させたくないからってなんでもないよ、って嘘ついても、渓斗君にはバレてしまう。


そしたら渓斗君、怒るよね。


──それなら、言ってしまった方がいい。


「実は──」


木村君と同じクラスになったことを伝えると、『……まじかよ』と、少し不機嫌そうな渓斗君の声が聞こえてきた。


『話しかけられたりした?』

「……ううん」

『話しかけられても無視しろよ、そんな奴』

「…うん」

『もう恵梨の事は傷つけさせねーから』


決意に満ちたようなその声に思わず、顔が綻んでしまう。


渓斗君が居れば大丈夫。


私はきっと、頑張れる。


この胸の痛みも、耐えられるよね。