君の世界からわたしが消えても。


 その光景を、どこか冷めた目で見ている自分がいた。


 ……わたしって、本当にひどくて嫌な子。


 最低な人間。


 だって、カナにそんなふうに言ってもらえるなんて、ずるいでしょ。


 わたしは自分の存在も、名前も、カナに知ってもらうことはできないのに……。


 こんなのを近くで見なきゃいけないなんて、地獄でしかない。


 その姿を見守るふりをして小さく拳を握り、負の感情を押し込めるのに必死だった。


 いろんなことが見えているカナとイチ、対照的にいつまでもミヅキがいない日常に慣れず、学校も楽しくなくて友達すら満足につくれていないわたし。


 こんなのを、カナが知ったらどう思うだろう。


 手が届かないほど、後ろ姿も見えなくなるほど、遠くにいるように感じる。


 もしもわたしが本物のミヅキだったら、カナは迎えに来てくれた?


 イチも、立ち止まって待っててくれた?


 こんなことを考えるのは不毛だってわかるのに、そう思わずにはいられなかった。