君の世界からわたしが消えても。


 置いてけぼりにされた。


 ……なんて思うけど、それは間違いで、わたしが歩き出さないだけ。


 本当は、みんなに追いつかなくちゃいけない。


 子供のままのわたしと、ずっと先を歩いているカナとイチ。


 わたしには、周りのことなんて全然見えてない。


 見ようともしていなかったのかもしれない。


 でも、どうしたらいいのかもわからなくて、わたしはずっと立ち止まったままだ……。


 そして、ただでさえ距離が離れているのに、カナはまたその距離を大きく開こうとする。


 カナは、イチの隣で立ち尽くしていた自分の母親に目を向けて、言った。


「で、たぶん、お母さん? ……なんだよね?」


 戸惑いがちのその言葉に、カナのお母さんは何度も何度も頷いて、滝のような涙をぼろぼろと溢れさせていた。