君の世界からわたしが消えても。


 ペンダントを両手で握りこみ、目を閉じた。


 ……ミヅキ、聞こえてるかな。


 きっと聞こえているよね。


 あのね、お願いがあるんだ。


 ミヅキにしかできないお願いがあるの。


 そろそろ待ちくたびれちゃったから、背中を押す言葉を言ってあげて。


 ミヅキのもとにも、わたしたちのもとにも来ることができていないカナに、言ってあげてほしい。


 そろそろ眠るのはやめて目を覚まして、って。


 みんな待ってるからって、伝えてほしい。


 もしかしたらカナは、ミヅキと一緒にいることを望んでいるかもしれない。


 だけど、ミヅキはきっとそんなことは望んでないでしょ?


 ちゃんと“生きている”カナには、わたしたちと生きてほしいって、ミヅキは思ってるでしょ?


 ……でも、それはわたしのエゴだよね。


 ミヅキももしかして、カナと一緒にいたいのかもしれない。


 そっち側に連れて行きたいって思ってるかもしれない。


 そんなことないって信じてるけれど、本心はわからないから……。