君の世界からわたしが消えても。


 それと同時に、葉月が明日も俺の隣にいてくれる保証がないことにもまた気付かされて、怖くなる。


 奏汰の傍にいたいと言ったこいつが、明日には消えていなくなっているんじゃないかって、怖くなった。


 いつもならここで、葉月に「帰るか」なんて言ってすぐ家に帰るのに、今日だけはその言葉がどうしても出てこない。


 ……俺はまだ、大事なことを聞けていない。


 言えてもいない。


「……イチ?」


「お前、消えたりしないよな」


 戸惑ったような葉月の声が聞こえて、半ば反射のようにして漏れ出たのは、俺の不安そのものだった。


 葉月の目を見ていたからわかる。


 こいつの瞳が一瞬揺れたのを、瞳に映っていた光が歪んだのを、俺は見逃さなかった。