君の世界からわたしが消えても。


「いろいろ言ったけど、結局ずるいんだ、わたし」


 今にも泣きそうな震えた声で、葉月はそう言った。


「カナの隣にいるための言い訳ばっかり、上手になるの」


 ……俺だって、お前と一緒にいるための言い訳ばかり、上手くなったんだよ。


 そんな、死んでも言えないだろうことを心の中で呟いた。


「たぶん、わたしがカナを好きじゃなければ、それで終わる話だったんだよ。それならミヅキの代わりだって、上手くやってたはずだもん」


 友達としてなら、これから新しい記憶や思い出を作り上げていくのなんて、きっと簡単だった、と葉月は零す。


 だけど、好きだったから、それができなかったんだよな。


 ずっと、奏汰のことだけを見てたんだもんな……。