君の世界からわたしが消えても。


 会話が途切れて、ふいに沈黙が訪れる。


 だけど、それを3人分の足音が繋いでくれた。


 こんなふうに今までみんなと一緒に歩んできたし、沈黙は痛くないはず。


 ……それなのに、なんでかなあ。


 やっぱり物足りなく、寂しく感じる。


 それはきっと、“みんな”の枠にいるはずの姿が、今ここで見ることができないからだ。


 ミヅキとカナの後ろ姿を見ながらイチの隣を歩いた日々が、もう戻っては来ないこと。


 それを知っているから、切なくなるんだ。


 カナの隣を歩けなかった過去のわたしと、今隣を歩きたいだろうミヅキ。


 今カナの隣にいるのは、ミヅキじゃないこと。


 それを知らないカナ。


 真実はいつだって嘘に埋もれたまま見えなくて。


 知ってほしいことがたくさんあるのに、伝えなくちゃいけないこともたくさんあるのに、なにも言えない。


 嘘にまみれた、少しのことで簡単に崩れそうな脆い関係を、一番知らなくちゃいけない人に隠して。


 こんなわたしたちは、周りの目にはどんなふうに映っているんだろう。