君の世界からわたしが消えても。


 今まで一度も見ることのなかった、カナの弱々しい姿。


 一番の笑顔も、怒るのだってミヅキのためで、カナの行動は全部、ミヅキに左右されていて。


 ミヅキがカナに与えていたもの、カナがミヅキに与えていたもの。


 当たり前のように4人で一緒にいた時間の中、ミヅキとカナは、わたしとイチとは違う時間を育んでいたんだろうね。


 そういうこと全部、ミヅキとして生きてから初めて知った。


 “ミヅキ”って呼ばれるのにはすぐに慣れてしまったけど、わたしの行動ひとつでカナが一喜一憂するのには、全然慣れないんだ。


 ……だからきっと、すぐに追いつけなくなっちゃうね。


 わたしの知らない、ミヅキとカナがいる。


 変えられようのない、事実がある。


 ミヅキを演じているわたしには、綻びがありすぎるから……。


 こうやってカナがひとりで耐えていても、ニセモノのわたしにはなにが正解かはわからない。


 ミヅキならこんな時どうするんだろうって考えても、一向に答えなんか出ない。


 それなら、わたしなりの答えを。


 そう思うけど、そうしてできた小さなズレは、これから大きなものになるんじゃないのかなって、不安は大きくなるばかり。