「……美月、顔赤くなってるんだけど」
「えっ!?」
苛立った様子のカナに指摘されて両手で頬に触れると、そこが熱を帯びていることに気が付いた。
なんでだろ、なんでこんなに頬っぺたが熱くなっているのか、自分でもわからない。
「イチに顔赤くするな」
カナにそう言われたけど、自分でそんなことをコントロールできるわけがなくて、軽く上気したそこをむにっと軽くつねられた。
力加減してくれているから全然痛くはないけど、目に怒りの炎をともしているようで怖いから早急に離れたい。
原因をつくった当の本人であるイチは、しれっとしている。
正直そっぽ向いてないで助けてほしいところなんだけど。
巻き込まれ損なんじゃないかな、これ。
そんなことを思っている間に、カナの手はわたしから離れて一安心。
少し伸びた気がするほっぺを数回さすったあと、ぱたぱたと手で顔を仰いで熱を冷ますと、カナにじろりと睨まれた。
「この浮気者」
って言葉とともに。



