確かに分かるわけがない。

ただ、分かってやって菜月。





「優しすぎるんだ晃希は」


「晃希……こ、うきっ…!」








再び泣きじゃくり出した菜月の傍にこのまま居続けようかとも思った。

……けど。




「こ、うきぃ……何で、何で死んじゃったの!」





晃希の名前を呼び続けながら泣く菜月に、苦しくて。

無駄なのに、どうしようもないのに胸に黒いものが疼く。